診療方針

診療方針

当院ではトータルで飼い主の方に満足していただけるような診療を目指しています。
1.治療方法を決定する場合

いくつかの方法を提示して、その特徴を説明して、どれがその飼い主の方の希望に合っているかを相談しながら決めていきます。
必要であれば、専門病院や高度医療病院、大学病院なども紹介致します。

2.ターミナルケア(終末期医療)

中には治療しても治らない病気もあります。
そのような場合でも出来るだけ後悔を残さないように、いかに苦しみや痛みを減らすことができるかを考えます。そして、どうしたら充実した時間を飼い主の方と過ごすことができるかを相談しながら治療方法をきめていきたいと思います。

3.面会について

入院している動物に対しては出来るだけ多く面会していただきたいと思います。そして、安心させてあげてください。ただし、面会時間は診察時間中にお願いします。
また、なかには面会によって安静が保てなくなり、疲れてしまう場合もあります。その際は直には会わずに遠くからそっと様子を見ていただいたり、カメラに映った画像を見ていただくこともあります。

4.動物たちにやさしく接します

病院に来るのが動物たちにとって苦痛にならず、楽しみになるように心掛けています。そのため、スタッフ全員が動物たちに緊張感を与えないようやさしく接しています。

院長のコラム

ペットロスについて

私も自分自身がペットロスになった経験もあります。
諸々の思いを書いたものを以前雑誌に連載させていただきました。
後から気づいたこともあったので、当時の内容に少し変更を加えてこちらに書かせてもらいます。

「誰もが経験する、ペットロス深い悲しみの中に潜むものは?」

動物を飼うと、たくさんの嬉しいことや楽しいことがあります。ただ存在してくれているというだけで、飼い主はたとえようもない最上級の癒しをペットからもらっています。しかし動物を飼っていると避けて通ることのできない悲しい出来事があります。それは、ペットとの「別れ」です。

ペットロス、というのはその名の通り「ペットを失うこと」を指しますが、実際には、愛する動物を失った飼い主の深い悲しみを表現する言葉として使われています。
動物は人よりも寿命が短いので、当然何らかの形でペットを見送るようになると思います。残念なことですが、ペットが行方不明になって生死を確認できない場合もあります。これもペットロスになるひとつの形と言えると思います。ペットロスは飼い主としてごく当然の正常な反応であり、周囲の人々が騒ぎ立てるような特別なことでは決してありません。しかしその一方で、ペットロスとはそんなに単純で簡単なものではないということもまた事実です。愛する家族の一員を亡くすこと、それがとても悲しいことだということは当事者でなくても想像していただけるでしょう。多くの方々が深く落ち込み、病気にまで悪化する方もいらっしゃるのです。

ペットロスの根底にあるもの、それは「後悔」だと私は思っています。「もっと早く気付いていれば死なせずに済んだのではないか」、「痛い思いをさせてまで生き長らえさせたことは自分のエゴではなかったか」、「苦しむ姿を見ていられなくて安楽死を選んでしまったが、本当はもっと生きたかったのではないだろうか」…
第三者から見れば充分に介護をしていたとしても、飼い主の心に浮かんでくるのはそんな思いばかり。人の言葉を話すことができないペットに対して、「もっとしてあげられることがあったのではないか」と後悔の念ばかりが襲ってきます。しかし、正解などないのです。逆に言うならば、ペットに対する深い愛情がそこにあったのなら、それが間違っていることなどありません。安楽死を選んだ飼い主は、たとえそのとき延命措置を選んだとしてもやはり後悔していたでしょう。どんな場合にも後悔はつきまといます。ペットロスは単に「喪失の嘆き」というだけのものではありません。自分自身へのさまざまな後悔が、悲しみを根強いものにしているのです。もし身近にそういう人がいたら、話を聞いてあげるだけでも違うと思います。

ペットとの離別は第三者には軽視されがちです。しかし「親や夫が亡くなったときよりも悲しい」という声は実に良く聞きます。人間なら入院していても「あれが食べたい、これが食べたい」と要求を口にすることや、時には憎まれ口をきいたりすることもあると思います。しかしペットにはそれができません。文句など言わずに、ただひたすら無償の愛を表現してくれます。そのいじらしさに報いようとして、深い「後悔」を感じてしまうのではないでしょうか。

飼い主の方も皆さん、「ああしてあげればよかった」「これでよかったんだろうか」と悩まれます。どう治療するかを最終的に選ぶのは飼い主の方ですが、皆さんに悔いが残らないよう、僕自身の経験も踏まえてこれからも相談にのっていきたいと思います。

お散歩ハラスメント

これ、実は私が考えた造語なのですが、診療中に多くの飼い主の方から相談を受けたことがきっかけで使うようになりました。

それは、彼らがペットと散歩しているときに他人からかけられる何気ない一言によって、とても嫌な気分になることです。

例えば、治療の補助としてエリザベスカラー(傷などを自由に舐めたりできないようにするシャンプーハットのような形状のもの)をつけていると「何それ!ファッションなの?日除けなの?」とか「あんな物つけて、かわいそうにね。」とか言われるらしいです。

また、皮膚病の治療中でわざと毛を短くしているのに「寒いのに毛を短くしてかわいそうね。」とか「早く動物病院に行けばいいのにね!」とか言われるらしいです。時には虐待をしているのでは?という意味に受け取れる言葉まで耳に入るというのです。また、減量中や、病気で食べ物を制限しているのに、「餌」や「ジャーキー」を持って公園で待ち受けている迷惑な人もいます。

普通、歩いていて見知らぬ他人に向かって「あなた、随分太っているわね。」とは言わないはずです。ところがペットを連れていると親しげに近寄ってきて「この子(犬)ずいぶん太っているわねぇ」と飼い主の方に向かって言ってしまうのです。
ペットが入院中だったり、自宅で長期に療養していて、飼い主の方が一人で歩いていると「最近何々ちゃん見ないけど、どうしている?元気?」と聞かれることがあります。ペットが病気になったのは自分のせいではないかと悩んでいる方には辛い言葉です。中には、その問いにいちいち答えて説明をすることに苦痛を感じて外出できなくなる方もいます。

これらは、『ハラスメント』ではないかと思うのです。『ハラスメント』とは、何かをして相手を苦しめたり、悩ませたりすることですよね。ペットを連れていると知らない方とコミュニケーションをとる機会が増えます。それはとても良いことだと思います。しかし、ペットと一緒だと気遣いのボーダーラインが下がってしまう傾向があるようです。世の中にはこんな嫌な気分を味わっている方も沢山いるということを知ってもらいたいと思います。

ペットは今や、「コンパニオンアニマル」と呼ばれ、自分の人生にかかせない伴侶として暮らしている方も数多くいらっしゃります。話題はペットの事でも、話しているのは人間同士です。親しい仲にも礼儀あり。まして他人ならなおさらです。少しの心遣いを持って行動していただきたいと思います。

 

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